8月25日(後編)
そんな会話をしながら朝陽を中に招き入れた。


「1人で大丈夫?」

「大丈夫だよ?子供じゃないんだし」

「まぁ、そうだよな。なんなら水樹もいるしね」

「……そうだね」


水樹くんとはあれから連絡を取っていない。

もちろんあの日以来、バイト先に来てくれることもなくなった。


まぁ、それは当たり前だよね。

「水樹とはこれから会うの?」

「え?」

「誕生日だし約束してるんでしょ?」


と朝陽の視線と重なる。

約束…


そういえば、今日は水樹くんの家にお泊まりのはずだったんだっけ…。

すっかり忘れてた。


「紗良?」

「あ、うん。これから行こうと思ってたところ」
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