8月25日(後編)
「紗良ちゃん…起きたんだ?」

「……」

水樹くんは一瞬驚いた表情を見せたけど、すぐに笑顔を向けてきた。


「もう大丈夫?」

「…うん、ありがとう…わたし帰るね」


水樹くんが助けてくれたことにはもちろん感謝している。

その気持ちをもっと伝えたい。


だけど、今は無理だ。

水樹くんの顔を見ることさえ難しい。


「待って紗良ちゃん、」

「……」

「これ…ありがとう」

とプレゼントを見る水樹くん。


すぐに視線を戻してくるとそのまま口を開いた。

「俺の誕生日、知っててくれたんだね」

そう言うと嬉しそうに笑う。
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