8月25日(後編)
「紗良ちゃん「水樹くんっ…」」

水樹くんの声に重ねるように名前を呼ぶと、視線を合わせた。

「…別れよう?…」


多分この答えが正解だと思う。


「別れない、別れられない」

「……」

「言ったよね?紗良ちゃんが嫌って言っても離れてあげないって」


…そんなことも言われてたね。

懐かしいや。


あの頃はまさかわたしが別れを選ぶなんて想像もしてなかったな。


「ね、紗良ちゃん…ちゃんと話そ?」

「……話すことなんて…」

「そうやって逃げないで?紗良ちゃんの悪い癖だよ」

「…つらいって言ったのは水樹くんじゃん…」
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