8月25日(後編)
つらい…

その言葉にどれだけ傷ついたか水樹くんは知らないでしょ?

だけど逆を言えば、つらい思いをさせていたことに気づいてあげられなかったわたしも悪いんだよね。


「確かにあの時はそう言ったけど…あれは本音じゃないというか、勢いで言ったところもあるから…」

そう言うと顔を曇らせる水樹くん。


「ううん、きっとあの言葉は本音だよ。だから、ごめんね水樹くん」

「…紗良ちゃん、俺の気持ちは変わらないよ?」

「わたし見たんだよ。奈々ちゃんに抱きつかれてるところ。あの瞬間わたしは変わったの」

「……」


真っ直ぐ水樹くんの目を見て言った。

その視線からそらしたのは水樹くんのほうだった。


「水樹くん、」

だから…別れよう…?


今の気持ちのまま水樹くんのそばにいても楽しくないと思うから。
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