京都、嵐山旅館の若旦那は記憶喪失彼女を溺愛したい。
記憶喪失
それから1時間後。
純一に釣れられてやってきたのは車で20分ほど離れた場所にある小さな診療所だった。
「ここが病院ですか?」
目をパチクリさせて聞く。
目の前に立っている建物はどうみてもロッジだったのだ。
太い木を縦横無尽に組み合わせ、入り口には季節の花が咲いている。
病院っぽいと感じるところは階段の横にスロープが設置されているところと、木を掘って作っている看板に『飯田診療所』と書かれている部分だけだ。
純一が先に立って階段を上がり、それに続いて入り口まで移動した。
木製の重たそうなドアを押し開けて中に入ると消毒液の匂いが鼻腔を刺激して、ようやく病院らしいと感じられる程度だった。
入って右手に受付があり、その奥には広い待合室が見える。
白いソファには3人の患者さんが座っている。
「松尾さん、今日はどうしたの?」
受付の中から女性が笑顔で声をかけてくる。
その表情を見た瞬間、受付の女性が純一へなにか特別な感情を持っているのだろうということを感じ取った。
「大至急診て欲しい患者がいるんです」
純一がそう言ってこちらを向く。
受付の女性と視線がぶつかって、思わずそらしてしまいそうになる。
純一に釣れられてやってきたのは車で20分ほど離れた場所にある小さな診療所だった。
「ここが病院ですか?」
目をパチクリさせて聞く。
目の前に立っている建物はどうみてもロッジだったのだ。
太い木を縦横無尽に組み合わせ、入り口には季節の花が咲いている。
病院っぽいと感じるところは階段の横にスロープが設置されているところと、木を掘って作っている看板に『飯田診療所』と書かれている部分だけだ。
純一が先に立って階段を上がり、それに続いて入り口まで移動した。
木製の重たそうなドアを押し開けて中に入ると消毒液の匂いが鼻腔を刺激して、ようやく病院らしいと感じられる程度だった。
入って右手に受付があり、その奥には広い待合室が見える。
白いソファには3人の患者さんが座っている。
「松尾さん、今日はどうしたの?」
受付の中から女性が笑顔で声をかけてくる。
その表情を見た瞬間、受付の女性が純一へなにか特別な感情を持っているのだろうということを感じ取った。
「大至急診て欲しい患者がいるんです」
純一がそう言ってこちらを向く。
受付の女性と視線がぶつかって、思わずそらしてしまいそうになる。