透明な心、いつか輝きを増す日まで
僕は口の中に入っていたご飯を飲み込むと、宏さんにそう答えた。



「宏さん、話って?」

僕と宏さんが座るテーブルに運ばれたお冷を一口飲んで、僕は宏さんを見つめる。

「急にごめんね……実は、俺の妻のことなんだけど……」

「確か、真由美(まゆみ)さん……だっけ?」

「うん。実は、真由美には俺とは違う人と結婚する予定だったんだけど……」

そう言って、宏さんは全てを話してくれた。

「……その元婚約者って、紅希(こうき)って名前じゃない?」

僕の問いかけに、宏さんは「確か、そんな名前だったと思う」と僕を見つめる。

そして、僕と宏さんは食べたいものを選んで注文した。

「紅希、僕の友達でさ……数年前に結婚したんだ。あいつに元彼女がいることは知っていたけど、まさか……その元彼女が、真由美さんだったなんて……話を聞く限り、僕は紅希を許さない。真由美さんを傷付けたから……」

「……まさか、真由美の元恋人の友達だったとは知らなかったな……最近、真由美……元恋人のことを思い出して、泣いてるんだ……どうすれば、俺は真由美を救える……?」

宏さんは、そう言って眉を下げる。宏さんのその表情を見てると、僕も苦しくなってくるな……。
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