透明な心、いつか輝きを増す日まで
「…………僕が、宏さんと真由美さんの光になるよ」

僕がそう言うと、宏さんは「え……?」と驚いた顔で僕を見つめた。

「……紅希は、確かに僕の友達だ。紅希が浮気をしていたなんて、最初は信じられなかったよ……でも、僕は宏さんを信じたい。宏さんは、嘘をつく人じゃないから……それに」

「……それに?」

口を閉じた僕を見て、宏さんは首を傾げる。しばらく黙っていても、宏さんは急かすことなく優しく微笑んで僕が話すのを待っている。

きっと、僕は……宏さんの優しいところを好きになったんだな。

「……ずっと宏さんが好きだった。僕は、同性愛者なんだ……宏さんの結婚を祝福した時、僕は諦めたはずだった。でも、今も好きで……大好きで……っ」

僕の頬に温かい何かが伝った。次の瞬間、僕は宏さんにキスされる。

……え?ちょっと待って……?僕、宏さんにキスされて……?

「……そうだったんだね。ありがとう……」

僕から離れた宏さんは、そう言ってにこりと笑った。

「……っ!」

ちょっ……え?……胸が、張り裂けそうなほどドキドキしてる……。

「ひ、宏さ……っ、こんな、場所で……」

「大丈夫だよ。誰もいないから」

そう言って、宏さんはイタズラっ子のような笑顔を浮かべる。
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