透明な心、いつか輝きを増す日まで
「宏さん、ごめんね……勢いで決めちゃって……」
紅希と実際に会うことになり、待ち合わせ場所でぼんやりと立ってる宏さんに、僕は話しかける。
……何か、今日……紅希の奥さんも連れてくるみたい。
「良いよ……俺も会ってみたいなって、思ってたし。ただ、真由美に紅希さんに会うって話をした時、嫌な顔されたけど……悠真さんもいるってことを話したら、すんなり受け入れてくれたよ」
「……正直すぎる」
僕がそう呟くと、宏さんは「そう?」と首を傾げた。その仕草に、僕の胸は高鳴ったような気がした。
「悠真、お待たせ」
紅希の声がしたからその方向を見ると、紅希と紅希の奥さんが微笑んで立ってた。
「紅希……と美優(みゆう)さん。こんにちは」
「悠真さん、お久しぶりです」
「……悠真さん、紅希さんの奥さんとも知り合いなの?」
「うん。紅希と結婚する前からの知り合いだよ」
「そっか……初めまして。俺は、宏樹(ひろき)と言います」
宏さんは、2人に微笑みながら自己紹介をする。微笑んでるけど、どこか怒ってる気もするんだよな……。
「初めまして。悠真の友達の紅希です。隣にいるのが、妻の美優です」
ちなみに、美優さんには全部話すなよ、と紅希に言ってあるよ。守ってるかどうかは、知らないけど。