透明な心、いつか輝きを増す日まで
「何か、美優さんの顔が面白くて……」

「うん。失礼だから、止めようか」

「すみません」

「……あの……真由美のことを、悪く言わないでもらえませんか？」

宏さんの言葉に、2人は驚いた様子で宏さんを見た。宏さんの声は低くて、宏さんの怖さを知ってる僕でさえもゾッとしてしまう程だ。

宏さんを怒らせた……僕は、どうなっても知らないよ……？

「真由美は、俺の妻であり幼なじみです。これ以上、真由美を傷付けるのは止めて頂きたいのですが……」

「……っ！」

「……僕、紅希と友達止める。浮気をするような人だとは、思わなかったから」

「悠真、それだけは止めてくれ……お前しか、気軽に遊べる友だちがいないんだ」

「無理だ……これが、真由美さんを傷付けた報いだと思え」

「これ以上、俺たちに関わるのは止めてください……それでは」

丁寧に礼をした宏さんは、紅希たちに背を向けて歩き始めた。



あれから数か月。

今日は休みで朝から椅子に座って、携帯を触っていた。

その時、呼び鈴が鳴って、僕は「はーい」と外に出る。

「……宏さん……」

ドアを開けると、そこには宏さんと真由美さんが立ってた。

「……悠真さんの家、ここだったんだ。向かいに引っ越してきたから、挨拶に来たんだ……これからよろしく」
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