あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『ちょっと、部屋きて。』

「わ、わかりました、」


シャーペンを置いて立ち上がると

はやく、と雪村さんは私の腕を引いて

部屋に招き入れた。


『これ、聴いてくんねぇ?』


雪村さんは私の返事なんか聞く間もなく

ヘッドホンを渡すと

カタカタ、とパソコンを操作した。


『いい?』

「あ、はい、大丈夫です。」

『聞きたいことあるから、ちゃんと聴けよ、』


雪村さんはそう呟いて

曲を再生した。
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