あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『こんなとこで泣いてんじゃねぇよ、ばか、』

「っ…すっ、すみません…、」

『とりあえず人目につかねぇとこ行くぞ、』


雪村さんは私の返事なんか全く聞かないで

ずんずん私の手を引いて

廊下を歩いた。


『お、ラッキー、誰もいねぇじゃん。』


保健室のドアを開けて

私を強引に中に入れると

慣れた手つきでドアの内鍵を閉めた。

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