あの日、雪が降っていてよかった。【完】
「い、いつもこんな感じで勉強してるんですか…?」

『うん。俺らが見てないと、雪村すぐ仕事の事ばっかりになるからさ、』

『………神室うるさい。こんなん正直使わねぇだろ、』


数学のノートをひらひらさせながら

雪村さんさ不貞腐れたようにそう言った。


『あーー頭痛い限界。』

『ちょ、まだ1時間も経ってないでしょ、』

『むり。』


雪村さんは、んーっと伸びをすると

脱力したようにソファに身体を預けた。
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