あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『………ここ。』


雪村さんが指さした先は

"ラーメン"と昔ながらの暖簾がかかった

お店だった。


『ちわー…、』

《あれ、雪村くん?久しぶりじゃねぇかぁ?》

『ちょっと忙しくて。』

《おお、神室くんと雲英くんも一緒かい。…あれ、そちらのお嬢さんは?》


優しそうな店主のおじさんは

私の方を見つめて、にこっと笑った。


「はっ、初めまして、香月唯と言います。」


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