あの日、雪が降っていてよかった。【完】
《まぁ、雪村くんが連れて来るってことは親しい仲なんだね、》


店主のおじさんは

さあさあ座って、と奥のテーブル席へ案内してくれて

私にだけ、メニューをくれた。


《雪村くん達はいつものだろう?》

『うん。間違っても、俺らのには激辛パウダーいれないでよー?』

《わかってるさ。お嬢さんは、どうする?》


どうしよう。

私は、10秒ほど考えてからメニュー表を閉じた。
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