あの日、雪が降っていてよかった。【完】
何の話しだろう?

私が首を傾げていると

それに気づいた仁さんが、隣に並んで説明してくれた。


『……ってこと。まぁ、恒例行事みたいなもんだよ。』

「なるほど…。あっ、じゃあ、普段夜遅くなっても泊まっていかないのは…、」

『うん。普段から泊まってたら特別感なくなるでしょ?まぁ、単純に雪村が人を泊めるの嫌がるからってゆーのもあるけど、』


仁さんと忍さんから聞く雪村さんの印象は

すごくパーソナルスペースが広い人。

でもあの日私に手を差し伸べてくれた雪村さんは

全然そんな風には見えなくて。

私はたまに、どっちの雪村さんが本当なのかわからなくなる。

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