あの日、雪が降っていてよかった。【完】
僕これ食べてみたいんだけどさぁ、と

ベッドの端に腰掛けた雪村さんは

私にそれを見せるように、スマートフォンの画面を傾けた。


「"鬼辛ラーメン"…?」

『けっこー有名らしくて。口コミみたらよさそうだったから、食べてみたいんだよね。』


そう話す雪村さんは

おもちゃを目の前にした子どもみたいで。

私は思わず笑いそうになってしまった。


「いいですね、鬼辛。」

『でしょ?じゃー昼はこれね、』

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