あの日、雪が降っていてよかった。【完】
別に僕は

あいつに特別好意があったから

僕の家に住ませてるわけじゃない。


『………そもそも、連れて帰ってきたのだって、ただの気まぐれだし。』

『ほぉー?ペットすらまともに飼えねぇ雪村が?』

『……うるさい。』


あの日、香月は僕の顔を見て

反射的に謝った。

その時の姿は、昔初めて入院が決まった時の

母親とほんの少し重なって。

だから僕はこいつを助けようって

思ったのかもしれない。
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