あの日、雪が降っていてよかった。【完】
たった一瞬

ここから飛び降りれば楽になれる。

わかっているのに

その一歩はなかなか踏み出せなくて

そんな自分も嫌になる。


「…………死なせてよ、もう…、」


足が震えないように

必死に踏ん張りながら

私はぎゅっと目を閉じて、そう呟いた。
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