あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『お前さー、そんな能力持ってんならなんで最初に言わねーんだよ、』

「す、すみません…、」

『なんも持ってねーのかと思ったら、ふつーに天才じゃん。』


雪村さんは一瞬にやり、と笑って

ぽん、と私の頭に手をのせた。


「…………ありがとう、ございますっ…、」

『…って、え、なんで泣いてんのお前、』

「いっ、今まで、そんな風に言われたこと、なかったのでっ…、」


< 59 / 557 >

この作品をシェア

pagetop