あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『決めた。お前は僕の課題要員な、』

「か、課題要員…?」

『そう。僕は忙しくて課題なんかやってる暇ないから、』


今日からは香月が僕の分やって、と

雪村さんは私に自分の鞄を突き出した。


「えっ、あ、えと、鞄…、」

『僕の鞄は大して中身入ってないから。今日からそれに荷物入れて持ってればいいよ、』


うちの高校は、いつ入学したかによって

スクールバックのラインの色が違う。

私の鞄は黄色で、雪村さんの鞄は紫だ。
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