あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『ちょっと、今俺まで巻き込んだでしょ、忍。』

『え?だめだったー?』

『いや、俺は別に構わないけど…、』


神室先輩がそういうと

じゃー決まり、と雲英先輩は笑って

私に言った。


『俺は唯ちゃんって呼ぶから、"雲英先輩"とか堅苦しーのはなしね、』

「は、はい。わかりました、えと、忍、さん。」

『"さんづけ"かぁー、それはそれで新鮮でいいね!』


ぐっと親指を立てる忍さんを横目に

仁さんはごめんね、と言わんばかりに私に両手を合わせた。

< 63 / 557 >

この作品をシェア

pagetop