あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『っと…よし。』

「ゆ、雪村さん…?」

『今日から僕が卒業するまで、お前の席ここな。』


雪村さんはそう言って

自分の席の真後ろに、どこから持ってきたのかわからない机と椅子を置いた。


「こ、こんな無理やりな…、」

『僕がいいって言ってるんだからいいの。』


早く座って、と言わんばかりに

トントン、と机を叩くもんだから

私は周りの視線を気にしつつも、そこに座った。
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