あの日、雪が降っていてよかった。【完】
[放課後]


『ゆーいーちゃん、ちょっといいー?』

「はっ、はい、」

『さっきの授業、ノートとってたりしないー?』


忍さんは、斜め前からくるっと私のほうを振り返って

ぐっと私の机を覗き込んだ。


「あ、一応…、見づらかったらすみません…、」

『どこがー!?めちゃくちゃ字綺麗じゃん、』


忍さんはそう言うと

ちょっと借りるねー、と私のノートを手に取った。
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