あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『香月ー?何道草くってんだよ、はやく帰るぞ、』

「わ、雪村さん。す、すみませ…、」

『"すみません"は禁止だって言ったでしょ、』


なかなか戻ってこない私を心配してくれたのか

教室からひょっこりと顔を覗かせた雪村さんは

香月になんか用?と担任の先生を睨みつけた。


「も、もしかして、なにかトラブル…?」

「あっ、いえ、そーゆーんじゃなくて!」


心配そうな顔をした先生に

私はぶんぶん、と首を横に振った。
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