あの日、雪が降っていてよかった。【完】
「わ、私、1年のほうのクラスに馴染めてなくて、その、高校やめようかと思ってたんですけど、そうしたら雪村さんが自分のクラスにいなよって言ってくれて…、」

「それ、担任の先生には伝えてる?」

「い、いや、伝えてない、です、」


私が俯くと

先生は何か察してくれたのか

はぁー、とため息をついて、しょうがないわねぇ、と私に言った。


「あなた、名前は?」

「あ、香月唯です、」

「香月さんね?えっと、1年…、」

「に、2組です、」


食い気味に言うと

担任の先生には伝えておくから、次から朝のHRくらい顔だしてね、という先生の言葉に

私は安堵した。
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