あの日、雪が降っていてよかった。【完】
『………なにやってんの。』

「っ…!?」


突然聞こえた男の人の声に振り返ると

そこには、私のことを見下ろすように

背の高い男の人が立っていた。


「あっ、ごめんなさい、なんでもないです…、」

『…………飛び降りよーとしてたんじゃねぇの、』

「っ…、」


顔を上げると

その人は、ん、と私に手を差し出した。
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