恋する乙女の下着事情
<コスメティック・会社・受付・その3>

リノアは背が高いので、どうしても目立ってしまう。
それも悪目立ちだ。
しかたがないので、頭を下げて言った。

「昨日はご迷惑をおかけして、
申訳ありませんでした。」

「いや、なかなか・・
おもしろかったよ」
支社長は思い出すように、少し笑った。

連れの美しい女性は、リノアの事を見て
<なによ、この女?>と言わんばかりの表情を、一瞬したが、
すぐに微笑みを支社長にむけた。

「それでは・・失礼。」
支社長が声をかけると、リノアは再度、頭を下げた。

そのまま、
見事な美男美女カップルは、
ビルの正面に停車していた高級車に乗り込んだ。

私とは・・
住む世界が違うんだな

リノアは2人を見送った後、
持っている紙袋が、やけに重いのに気が付いた。
なかには
高屋敷に貸した着替えと、
化粧品の試供品が山ほど入っていた。
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