恋する乙女の下着事情

高屋敷との打ち合わせ

<コスメティック会社・広報部 部長室・その1>

数日後、保育園に、高屋敷から連絡が入った。
例の運動会の件での
<会社にくるよう呼び出し>
だった。

指定された時間に行くと、
秘書がリノアを案内してくれた。
海外ブランドの化粧品会社だからかもしれないが、華やかな空間を感じる。

上質なアロマの香りがただよい、
女性社員がみんな美人に見える。
相当に化粧がうまいのかな・・

リノアは例の就活スーツ姿、
やや挙動不審ぎみで、秘書の後についていった。

「リノアちゃん、
よく、来てくれたわね。
呼び出ししちゃってごめんね。」
高屋敷が机に座り、パソコンを見ていたが、
秘書に連れられて、入室したリノアに言った。

リノアは改めて、その部屋を見渡した。
窓からの見晴らしがよい、大きな部屋。
真っ赤なバラが、たくさん生けてある。
インテリアはゴージャスなロココスタイル。
家具はすべて金色・猫足調で統一されている。
カーテンは深紅で重く、ゆったりと垂れ下がる。
天井は高く、シャンデリアのクリスタルが美しくきらめいていた。

これは・・・
結婚式場みたいだ・・
いや、ベルサイユ宮殿か?
リノアは感心してしまった。

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