恋する乙女の下着事情
<コスメティック・会社・部長室・その3>

「それでね。例の件なのだけど・・
うちも福利厚生の一環として
やれないかって話で・・」
「はい?」

あと、集中しなければ・・
この美形男子は怒ると怖いから・・・
リノアは緊張した。

「うち、商品もそうなのだけど、
女性社員が多いでしょ。
子どもさんがいる人も多いし。
だから、保育園と合同で・・
子どもたちを含めて、
社内運動会って形がいいのではないかと。」

高屋敷が
リノアに書類を見せるために、
体を寄せた。

「うちが主催になるけど、
グランドの貸し出しとか準備とか、
予算も必要になるしね。」
高屋敷の脳内には、数字がどんどん出てきているのだろう。

「保育園の方にも送迎バスは出せるし、
そっちに、お金の負担がかからないようにやるから。」
そう言って、
高屋敷はリノアに企画書を差し出した。

「あ、ありがとうございます!!
園長に報告します」
リノアが書類を受け取り、頭を下げた。

「やぁだ、お友達じゃない・・」
高屋敷がリノアの肩を抱いてきた。
距離、超近い。
こんなに美形なのに・・
乙女男子に下心はないはずだが・・微妙である。
今日はムスクの香りがした。

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