恋する乙女の下着事情
リノアは支社長の顔を見た。
支社長の目は、
まだグランドに向いている。

「あの・・なにか?」
リノアの疑問符に答えることなく、その時初めて、リノアの顔を見た。

「余計な事を言った。忘れてくれ。」
そう言うと、
支社長はリノアに背を向けて、
駐車場に歩いて行った。

リノアはその背中を見送ったが、
一瞬 
支社長の長身に重なるように、
小さな男の子のイメージが見えた気がした。

<寂しい?悲しい?・・
泣くのを我慢しているの>
もし、そうなら、
誰かが抱きしめて安心させて
あげなければ・・いけないのに。
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