恋する乙女の下着事情
<保育園・放水事件・その2>

「すいませんっ!
ごめんなさいっ」
リノアは、すぐに男性の元に
駆け寄った。

「もう!
ずぶ濡れじゃないですか!!」
怒りをあらわにする男性に、
リノアは90度きっかりに頭をさげた。

「申し訳ございませんっ!!」
「これから、仕事なのに!
この状態で・・まったくっ!!」

リノアは怒る男性を、まじまじと見てしまった。

身長は・・自分と同じくらい。
本当に<きれい>と言える、男性の容貌。
今は怒りにみちているが・・

金に近い茶色の髪はゆるくウェーブがかかり、
後ろでひとつにまとめている。

片耳にダイヤのピアスが光る。
細身でスーツを着ているが、芸能人とか、ホストとかいう
ジャンルに入る人なのだろう。

目を引きつけるオーラがあるし、ちょっと中性的な感じがする。

「あの、これを・・」
リノアは、自分のポケットに入っていたタオルを差し出した。

「こんなずぶ濡れじゃ・・仕事にいけないよっ・・
どっかでスーツ買わないと?・・
遅刻するし!!」

その男性は怒りのせいか、
乱雑に上着を脱ぎ、手に持った。
それからネクタイを緩め、髪に手をやった。
髪の毛も濡れて、ペタンコになっている。
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