恋する乙女の下着事情
<保育園・調理室・その4>
爺ちゃんは酒が入ると、
イノシシとか熊と素手で戦ったとか言って、
かなり盛った自慢話をエンドレスでする。
「鹿とかイノシシはうまい。
ヨーロッパではジビエが好まれるからな」
「日本では、ぼたん鍋にしますよね」
リノアも支社長も視線は、
目の前の泥付き野菜に集中したまま、会話が続いていた。
ブーッ・・ブーッ
支社長の上着から、
スマホのマナーモードのコール音が聞こえた。
リノアは急いで、手を拭くタオルを差し出した。
支社長はタオルで手を拭きながら、電話に出て、
「ああ、わかった。
すぐ行く・・」
そして上着を手にしてから、
ふと、
思い出したようにリノアの顔をじっと見た。
「君は・・確か、
栗原・・栗原宗家一門なのか?」
「あ、はい。
でもそんな大したものじゃないです」
支社長は考え込むように
「そうか・・高屋敷が言っていた。
君一人で、10人ぐらい片づけたっていう話だが」
とんでもなく、話が盛られている・・
リノアは慌てて訂正発言をした。
「いやいや、大げさですよ。
単なるガキ相手で・・
ちょっと脅しただけですから。」
それを聞いて、
支社長が少し微笑んだ。
この人はこんな風に笑うんだ。
リノアは胸がなぜか、ざわついた気分になった。
「あの・・手伝ってくださり、ありがとうございました」
リノアはいつもの習慣で、90度キッチリの礼をした。
「また、何かあったら、言ってくれ」
そのリノアの礼の仕方を見て、
支社長は少し微笑み、それから立ち去った。
背中を見送りながら、
リノアはちょっとボーっとなってしまった。
私の知らない世界に、住んでいる人だ・・・
爺ちゃんは酒が入ると、
イノシシとか熊と素手で戦ったとか言って、
かなり盛った自慢話をエンドレスでする。
「鹿とかイノシシはうまい。
ヨーロッパではジビエが好まれるからな」
「日本では、ぼたん鍋にしますよね」
リノアも支社長も視線は、
目の前の泥付き野菜に集中したまま、会話が続いていた。
ブーッ・・ブーッ
支社長の上着から、
スマホのマナーモードのコール音が聞こえた。
リノアは急いで、手を拭くタオルを差し出した。
支社長はタオルで手を拭きながら、電話に出て、
「ああ、わかった。
すぐ行く・・」
そして上着を手にしてから、
ふと、
思い出したようにリノアの顔をじっと見た。
「君は・・確か、
栗原・・栗原宗家一門なのか?」
「あ、はい。
でもそんな大したものじゃないです」
支社長は考え込むように
「そうか・・高屋敷が言っていた。
君一人で、10人ぐらい片づけたっていう話だが」
とんでもなく、話が盛られている・・
リノアは慌てて訂正発言をした。
「いやいや、大げさですよ。
単なるガキ相手で・・
ちょっと脅しただけですから。」
それを聞いて、
支社長が少し微笑んだ。
この人はこんな風に笑うんだ。
リノアは胸がなぜか、ざわついた気分になった。
「あの・・手伝ってくださり、ありがとうございました」
リノアはいつもの習慣で、90度キッチリの礼をした。
「また、何かあったら、言ってくれ」
そのリノアの礼の仕方を見て、
支社長は少し微笑み、それから立ち去った。
背中を見送りながら、
リノアはちょっとボーっとなってしまった。
私の知らない世界に、住んでいる人だ・・・