恋する乙女の下着事情
<山荘・その2>

リノアは毛布をかぶり、そっと近づいた。

支社長が爆睡していた。
髪はぼさぼさで、額にかかっている。

着ているワイシャツはよれよれで、ズボンからはみ出し、
片方の足がソファーから落ちている。
そして顎には大きな青あざ!!!

「やばい・・!
なんかとてつもなくやばい・・
やっちまったか・・」

以前
電車で女友達が痴漢にあった時も、駅のホームで腕をひねりあげ、
怪我をさせてしまい、警察から厳重注意を受けてしまった。

爺ちゃんにばれたら・・
逃げられるか・・・?
コートと靴は・・どこにあるのだろう。
ここはどこなんだろう。

室内を見渡すと、大きなログハウスのようだ。
暖炉上の壁には、大きな鹿の頭部剥製が飾られている。
木製の鍵付きロッカーは、猟銃が何本か固定されていた。

その横の大きな本棚には武術・
軍隊・特殊部隊系のアーミー関係の本が並んでいる。
壁にダガーナイフが、いくつか飾ってある。
軍事オタクの秘密基地か?

「その恰好で外にでたら、凍死するぞ」
リノアの後ろから、声がかかった。

振り向くと、
支社長がソファーに座ってこちらを見ていた。

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