恋する乙女の下着事情
<バスルーム・その5>

リノアは緊張が解けて、
放心したように、支社長を見た。

なんだろう、涙がぽろぽろこぼれる。
痛い・怖い・不安・・
感情がぐちゃぐちゃになって
押し寄せる。

「ううう・・・ぐす・・」
どうしようもなくて、
まるで子供のように、泣きじゃくった。
おまけに鼻水もたれてくる。

支社長は、洗面台のティッシュペーパーの箱をリノアの前に置いた。
「何を泣いているんだ・・君は俺より強いだろう?」
頭をガシガシ叩かれた。

完全にこども扱いされている。
でも、・・その視線は優しい。
リノアは、近い距離の支社長の
青あざを見た。

次は・・次は・・
どうしたらいいのだろうか・・
何も考えず出た言葉が

「お腹がすいているんです・・」
リノアはしゃくりあげながら
言った。
これはもう3歳児だ。

「腹が減ってるのか・・?
まったく・・食わせるから、
こっちに来い」
支社長は笑いをこらえて言った。

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