10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

「今日、島原とは何かあったわけじゃないよね?」
「え? え、なんで!」

 思わず驚いて叫んでいた。
 別に何かあったわけじゃないけど……島原先生の様子が変だったのは確かだ。島原先生らしくない変な冗談まで言われるし。

 そんな私の返答に大和先生はピクリと眉を動かした。

「島原いつもと様子違ってたから。俺と目も合わせないし」と不機嫌そうにつぶやく。

「島原先生が?」

(幼馴染の大和先生にもわかるくらい変だったんだ。やっぱり今日、何か変だったもんね……。体調でも悪いのかなぁ)

 そう思って少し心配していると、大和先生は私の目をまっすぐ見て聞く。

「島原のこと……見つめて何か話したりしたわけじゃないよね?」
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