10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~
家に帰るなり、寝室に連れ込まれて、そのまま足を触られる。
つつつ、と触られると、身体はビクンと跳ねた。
「これ。俺の付けたシルシ、かくしたの?」
「あ、麻子さんのお兄さんがしてくださって」
「お兄さん?」
先生の眉がピクリと動いたことに気付かず、私は話を続ける。
「美容師でオーナーで……あ、あのMAKEのスタイリストさんもされてるみたいです。業界人って感じで雰囲気が普通とは全然違いました」
「男に、足、触らせたの?」
「さわらせ? え? えっと、普通に髪と、この跡を隠すくらいで……んっ……」
言い終わるより先、先生は私に口づける。そのまま舌を滑り込まされて、口内をすべて舐めとった後、首筋にキスを落とし、そのまま、足にもキスをした。
「んっ、や、先生……?」
いつも以上に執拗に繰り返される足へのキスに、私はたまらず身をよじる。
さっきから、寝室だし、足も太ももにもキスされて、触られて……熱っぽくて変な気分だ。