10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~
先生はそのままスカートの下から手を入れて、ゆるりと太ももを触る。そうされると、またビクンと身体は勝手に跳ねた。
「……それに、これだけかわいければ、声かけられたりしなかった?」
「あ、んっ! な、なんか話しかけられは……、や、麻子さんの知り合いかと思ったけど、あっ……違ったみたいでっ」
「そいつらもこれ見たんだ。しかも、俺より先に」
先生は低い声でつぶやく。「許せないな」
そのまま強引に服をはぎ取られそうになる。私は思わず服をもって、それを押しとどめた。
「だ、だめ! 服……」
「脱ぎたくないならそのままするよ? そしたら、この服見るたびに今日したこと鮮明に思い出すだろうね」
そう言った先生の声が冷たくて、涙がポロリと流れる。
「ぅうううう……! なんでそんな意地悪言うの!」
「意地悪? 違うよ、果歩が好きすぎるだけ。自分でもおかしいと思うくらい好きだよ」
先生はそう言うと、私にまた口づけて、口内を貪る。結局流されて、服を脱がされ、また全身に触られキスをされた。
頭が、顔が、身体が、全部熱い。
なのに先生はまた何一つ脱いでもいないのだ。
私はそれを見て、さらに泣いてしまった。