10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

「好きです、大和さんが好き」

 ぼやけた視界の中で、先生に告げる。

「ありがとう。俺も好きだよ。愛してる」

 先生は嬉しそうに笑って、そのまままた口づけた。


「目、瞑らないで。ちゃんと見て、俺のものになるところ」
「うぅううう……。恥ずかしい……! ひゃっ……! も、もう限界でっ……」

「ごめん。俺ももう止まらない」

 先生ははっきりとそう告げると、私に甘く口づけて、ゆっくりと自分の形も、感情も、愛情も、全部刻み付けるように何度も注ぎ続けた。
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