10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~
水曜の夜、私は家のキッチンにいた。
料理を作っていた……わけじゃない。作ろうと思ったところで、大和先生が帰ってきてしまっていたのだ。
『帰ってきてしまっていた』と評されるのには訳がある。
先生はもう当たり前のように、帰ってきて私を抱きしめてキスを交わすと、そこがどこであろうと流れるように私を裸にして、オンコールがくるまで『そういうこと』をするようになっていた。
私も最初は、ベッド以外の場所でするのには抵抗があったのに、いつの間にか先生に流されて、家でしてない場所はないというくらい色々な場所でしている。正確には、されているわけだ。
「大和さんッ……さっき帰ってきたばっかり……で!」
「でもいつ呼び出しあるかわかんないだろ?」
「そう言って、昨日5時間くらい呼び出しなくて、その間ずっとしてたじゃないですかっ」
「よく覚えてるね。でも、全然足りなかったし」
「もう、だめっ……強くされたら、明日の仕事できなくなるっ」
「じゃあ、ゆっくりするね」
「そういうことじゃっ……んんっ!」