10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

 島原先生はそんなことを言った。
 そう言えば、プラネタリウムで聞いた言葉。

「あ、もしかして、『人工でも本物と同じ効果がある』ですか? ふふ」

(島原先生って意外にロマンチストだったのね……)

 思わずクスリと笑ったとき、先生はまっすぐ私を見て、それから首を横に振った。

「あの時、偉そうに『寂しい時に果歩ちゃんの隣に誰もいなかったら僕がいてあげる』なんて言ったけど、僕はキミに再会してから……。キミの隣に誰がいても、それが大和だったとしても……キミの隣には僕がいたいって思ってたんだ」
「それは……」

 意味が分かるようでわからない。
 困った私の顔を見て島原先生は苦笑すると、

「あぁ、果歩ちゃんにははっきり言わないと通じないだろうね」

と言う。そして、すっと私の頬を優しく撫でた。


「僕は果歩ちゃんが好きだよ」

< 210 / 333 >

この作品をシェア

pagetop