10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

―――もし彼の本心を聞いたのなら、真摯に答えてあげて。

 病院長の言葉が頭に残ってる。私もそう思った。

 私は島原先生の方をまっすぐに向くと口を開く。

「私、大和先生のことが好きです」

 その瞬間、島原先生の表情が曇ったのが分かった。
 相手を傷つけているのはもちろんわかる。でも、私は続けていた。
< 262 / 333 >

この作品をシェア

pagetop