10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~

 島原先生は私を見ると、手のうちにいる猫を優しく撫でた。

「果歩ちゃんは、暗示をかける力……というかセンスみたいなものはもってると思うよ。少なくとも僕やこの子には効いてる」
「へ? でも私の暗示はきいてなかったって……大和先生が」

 島原先生はクスリと笑う。

「大和はなんでそう思わせることを言ったんだろうね?」

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