10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~
「果歩が昼すぎに限界来ちゃったからね……。俺は診察あったし、病院行ってたの。で、今、帰ってきたとこ」
「あ……お、おかえりなさい……」
自分1人が寝ていたことに気づいて、少し恥ずかしくてふにゃっと笑って言う。
すると大和先生は私のことを強く抱きしめた。
「なんですか?」
「ううん。果歩の事、やっぱり好きだなぁって思って」
「……私も。私も好きです」
「うん」
先生はそう言うと、目の前で微笑み、唇を重ねた。
予想外に軽いキスに、次は私からキスをすると、先生は嬉しそうに笑ってまたキスをしてくれる。