10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~
最終章:10秒先の恋

 それから数か月して、私は妊娠が発覚した。気づいた時には妊娠3か月の終わり頃だった。
 というか、大和さんはもうとっくに気づいていたそうだが、私が気付くまで教えてくれないなんて意地悪だ。

 そう思ったら、さすがに安定期になったら気付くかなぁって思ってた、と笑われる。
 つわりがなかったら確かにそうかもしれない……ということは黙っておいた。

 果歩が気づかなくても、ちゃんと俺が身体のケアしてたし大丈夫だよ、と大和さんはそんなことを言っていた。
 それのどこが大丈夫なのか教えて欲しかったけど、なんとなく聞くのはやめた。

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