10秒先の狂恋 ~堅物脳外科医と偽りの新婚生活~
そんな私に、先生はまた何度もキスをして……。唇を離すと、先生は目の前で目を細めて私を見ている。
それを見ていると、私は熱に浮かされたようにさらにぼんやりとなる。
「先生とのキス、気持ちいい……」
思わずそうつぶやいていて、先生がまた私にキスを落とす。
「うん、俺も」
先生は、額を合わせて、ふふ、と楽しそうに笑った。
これは、いけないことだよね……。
だけど、やめられなくて……。
私は先生の暗示がいつまでも解けないことを心の中で何度も祈っていた。