花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!

ケビンは受け取った申込書の「参加」に印がついているのを確認して、エミリーへ嬉しそうに微笑みかける。


「聖女クラスに誘われてるって聞いてたから、もしかしたらそっちのクラスの研修を受けるかもなんて思ってたんだ」

「私、聖女クラスの話は断ってるの。だから卒業までずっと薬師クラスの生徒よ」


今朝に引き続いてこの調子では、私が聖女クラスに誘われている話をみんな知っているかもしれないわねとエミリーは苦笑いし、断ったことをはっきり告げる。


「もちろん俺はエミリーがどちらを選んでも応援するつもりだったけど、やっぱり一緒に参加できて嬉しいな。ついでに同じ班になれたらもっと嬉しいんだけどな」

「そうね。ケビンは優秀だから良い刺激になるわ」


ケビンは少し頬を赤らめて気恥ずかしげに言葉を紡いだが、エミリーに笑顔でさらりと返され歯痒そうにする。


「エミリーはそういうところ鈍いからはっきり言わないと伝わらないわよ」


そんなふたりの様子を見ながら歩み寄ってきたリタはケビンに忠告する。

続けて「次の授業は一階の教室よ」とエミリーに言葉をかけて、ひとり先に歩き出す。

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