【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
⑫夫婦の先にあるもの
「……さくら先生なら、なれますよ。誰かのヒーローに」
四方木先生の言葉に、わたしは「ありがとうございます」とお礼をした。
「じゃあお疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
わたしも仕事を終えて、途中でコンビニに寄り自宅へと帰宅した。
「ただいま、帰りました……」
「おかえり、さくら」
玄関のドアを開けると、北斗さんがリビングから出てきた。
「北斗さん、ただいま帰りました」
家の中に入ると、北斗さんは「おいで、さくら」と両手を広げてきた。
「……はい」
北斗さんの胸に飛び込むと、北斗さんはわたしをギュッと抱き締めてくれた。
北斗さんの温もりが、温かくて優しくて、すごく幸せだと感じる。
「さくら、お疲れ様」
こうやっていつも、欲しい言葉をくれる北斗さん。
「……ありがとう、北斗さん」
「大変だったみたいだな、今日は」
その北斗さんの問いかけに、わたしは「はい。……ちょっと、重傷者が多くて疲れました」と答えた。
「そうか。 ゆっくり休むといい」
北斗さんは微笑みを浮かべて、頭を優しく撫でてくれた。
「ありがとう、北斗さん」