【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
同僚の中嶋からそう言われた俺は左手の結婚指輪を見せながら「惚気だ。悪いか?」と答えた。
「よし、ミーティング始めるか」
「はい」
仕事が始まると、患者は待ってくれないのが現実だ。
「1.2.3……!」
処置台に患者を乗せると、すぐにモニターを付けて処置を始めた。
「ルート取るぞ!」
「挿管します!」
患者にルートを繋ぎ、挿管していく。
「北斗先生、アドレナリン投与します」
「頼む!……よし、挿管終わった」
モニターを確認し、バイタルをチェックしていく。
「血圧76の52。改善しました……!」
「北斗先生、こっちの患者さん、意識障害がある。瞳孔不同も見られるし、MRI撮ったほうがいいかもしれないな」
「分かった。内科にコンサルしよう」
内科にすぐ電話をし、コンサルを頼んだ。
「先生!次の患者さん、間もなく到着します!」
「分かった。すぐ行く」
他の患者を中嶋先生たちに任せ、俺は再び出入り口まで向かった。
「患者は20代女性。階段から落ち頭を強く強打し、意識不明の重体です。 血圧71の43です。先ほど安定してきました」