【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
②安心できる場所
「さくら、北斗くんとは、うまくいってるのか?」
結婚して3ヶ月を過ぎた頃、父からそんなことを言われた。
「まぁ、普通……かな」
今の所、ケンカというケンカはないけど……。
「良かったじゃないか。お前も早く結婚出来たんんだから」
「そうなの……かな」
結婚するのが早ければいいというものでは、ないのでは……?
「幸せにしてもらいなさい。北斗さんに」
「……うん」
幸せにしてもらえと言われても……。わたしは初対面の人になぜか見初められて、結婚することになったけど、それで良かったのかも分からない。
まさか見初められるとは、思ってもなかったし……。
「そうか、さくらも人妻になったのか……。母さんもきっと、喜んでるだろうな」
「……そうだと良いけど」
母はわたしが小学生の頃、病気を患い亡くなった。それ以来、父が男で一つでわたしを育ててくれた。
父にとって、わたしが嫁に行くことは何よりも嬉しいことなのだと思う。
「母さんは、誰よりもお前の幸せを願っているさ。お前が幸せになることを、だれよりも願っているはずさ」
「……うん」