【完結】ドSな救命医に見初められ、婚姻関係を結びました。
と微笑む北斗さん。わたしはちょっとだけ恥ずかしさを感じたけど、それでも嬉しかった。
「もう、北斗さんってば……」
「デートっぽいだろ?こっちのほうが」
「はい。 まぁ、そうですね」
そうだ、今日は夫婦でデートなのだ。とことん楽しまなくてどうする、わたし。
いつもお互いすれ違ってばっかりなことも多いけど、こうやって一緒にいられる時間は幸せだ。
些細なことでも嬉しいんだ。手を繋いだり、写真を撮ったり。
そんな小さなことでも、わたしにとってはかけがえのない瞬間だ。
「さくら、次は何の花見たい?」
「そうですね……。あそこの植物園に行きたいです」
「よし、じゃあ行くか」
「あそこに胡蝶蘭があるらしいんです。それを見たくて」
わたしたちは時間の許す限り、デートを楽しんだ。花の香りを感じたりするだけでも幸せを感じたし、すごく心に残るデートだった。
「よし、じゃあ帰るか」
「はい。帰りましょか」
デートを終えたわたしたちは、自宅へと戻るためにフラワーパークを出る。
そして北斗さんの運転する車の助手席に乗り込むと、車は出発した。